TOP

*

ニュースセンター

アンテナ

物置

log

about

Search this site:

Amazon.co.jp アソシエイト

メールはadmin@shimizuhouse.netにお願いします


▼favorite
幻想ヘボリアル
笑える電波ソングを集めるガイドライン
SIREN(サイレン)の部屋

工房KENTAの物欲魂

▼巡回サイト(更新順)
Powered by hatena::antenna

Feeds:
RSS2.0
Atom

Meta:
Valid XHTML

Powered by WordPress 2.9.2

● 月, 2003-12-08 2:20

自分は頭が良い、と思っているタイプの人というのは世の中に相当数いると思いますが…。
ここにはいくつか考えられるテーマがあります。

まず考え方として、「頭が良いくらいだから、自分が頭が良いことくらい気づくべきだ」というのは正論としてあるでしょう。しかしながら「自分で自分の頭が良いとか思ってる時点で馬鹿なんじゃないのか」というシニカルな視点もそれなりに妥当性があり、アンビバレンツな様相を呈しています。これは難しい問題です。「頭が良い」というのはかなり曖昧な表現なので、例えば自分の考えや価値観に自信を持っているとかと言い換えても良いかも知れません。

これら二つの考え方のどちらがより正しいかの結論はでませんが、では自分が頭が良いと思っている状態と、あるいは馬鹿だと思っている状態と、どちらがクレバーなのかと考えるとこれはひとまず後者であろうと思います。自分の頭が良い、すなわち自分の考えが他の人の考えより正しいと無意識に思っているような状況下にあっては、自分以外のよりよいかも知れない、価値があるかも知れない物に対して扉を閉ざしているようなものだからです。このことにより自分を馬鹿であると思っている人間は自分は頭が良いと思っている人間より物事を柔軟に考えることができます。逆に言えば自分が馬鹿であるというスタンスを得る事が頭を良くする第一歩であるかも知れません。

ではここで自分が頭が良いと思っている状態をAとしてみましょう。また、自分を馬鹿であると思っている状態がBです。これまでの考察により、客観的に見てAよりBの方がクレバーな状態、頭の良い状態と言えます。そしてまたBは自分が自分を馬鹿であると思っていることにより、Aよりもクレバーであることを知ることもできます。しかし一旦Bが自分がクレバーであると思ってしまうと、またAの状態に移行します。2週目のAです。この2週目のAは「自分を馬鹿と思っていることにより、よりクレバーな状態であると思っている」状態です。そしてこの2週目のAは「自分を馬鹿と思っているが、それによってクレバーな状態であるとも限らない」と思うことにより2週目のBに移行し、「『自分を馬鹿と思っているが、それによってクレバーな状態であるとも限らない』と思うことによってクレバーな状態であると思っている」3週目のAになることができます。ここに思考の次元を次々に駆け上る意識の螺旋階段が出現します。

そしてまた例えばこのAとBとの間にこの無限連鎖が発生することを知っているのがさらにクレバーな視点であると仮定することもできます。しかしそのことによりクレバーな視点を得たと思ったとき、あなたはまた新たなAとなります。そしてAとBに関して無限連鎖が起こることを知って自分はクレバーだと思うとまたAになるんだな、ということを知ったから自分はクレバーだと思えばあなたはまた新たな次元のAとなります。あなたは抜け出せません。

というようなことがあります。

あまりこういう思考を続けてしまうのも精神的に健康的でない気もしますが、ストレッチにはなるかも知れません。実際こういったことを考えるのと全く考えないのでは考えた方にいくらかクレバーな視点があるような、ある程度大事なことのような気もします。
と同時にこれではだめだ!というのも見えてきます。疑っても、信じてもだめ。では?全てを疑うことができて、全てを信じることができるような新しい次元の考え方に答えがあるのかも知れません。よく天才は直感を働かせるとかいいますが、自分自身や世間の常識を含めて全てを疑った上で、直感とか根拠の無いものとかを信じてみせる思考というのは確かに相当高いところにある気がします。


トップページ