それならいい所あるんだよ。
おひえれっ!?
教えない。教えない。絶対、教えない。
この不条理を凝視せよ。
そしてただ哀しい気持ちだけが墨を溶いたように静かに心の中に広がり、いつしかこの夕暮れの街全体にまで染み渡って行くようだった。